トップリーグ 2015-2016 weekly preview:LIXIL CUP 2016は東京、大阪で4強対決
text by Kenji Demura
LIXIL CUP 2016は東京、大阪で4強対決
福岡、鈴鹿でも入替戦を睨み熱い下位争いが
9日に行われたジャパンラグビー トップリーグ 2015-2016順位決定トーナメント第1節。
上位8チームが出場したLIXIL CUP 2016 1回戦では、パナソニック ワイルドナイツ、ヤマハ発動機ジュビロ、東芝ブレイブルーパス、神戸製鋼コベルコスティーラーズのリーグ戦上位4チームが勝利を収めた。
この結果、16日に予定されているLIXIL CUP 2016セミファイナルはパナソニック−神戸製鋼(14:00 東京・秩父宮ラグビー場)、東芝−ヤマハ発動機(14:05 大阪・東大阪市花園ラグビー場)のカードで行われることになった。
LIXIL CUP 2016 1回戦でSOベリック・バーンズ、WTB山田章仁という実績十分のスター選手を欠きながらキヤノンイーグルスを全く寄せ付けずに46—6で完勝したディフェンディングチャンピオンのパナソニック。
神戸製鋼とのセミファイナルでも前記2人は欠場する可能性が高そうだが、「タイトファイブがワークレート高くプレーできた」(HO堀江翔太主将)という圧倒的な存在感を見せたFW前5人を中心に攻守両面で相手にプレッシャーをかけていく能力は抜きん出ている印象で、キープレーヤーの欠場も全く気にならないと言っていいだろう。
ことに、「アタックのチームであるキヤノンをノートライに抑えた。ラインブレイクもさせなかった」(ロビー・ディーンズ監督)というディフェンス力は極められてきたと言っていいだろう。
セミファイナルの神戸製鋼戦に関してHO堀江主将は「(神戸製鋼FW)前3人はジャパンみたいなもの。息も揃っている。ラインアウトでも大きい選手がいる。個人、個人が強いので、こっちはしっかりチームとしてまとまってできたらいい」と、相手の印象と対策を語る。
対する神戸製鋼はLIXIL CUP 2016 1回戦では近鉄ライナーズを立ち上がりから圧倒。
前半だけで5トライを奪い、早々に勝負を決めた。
「セットプレーから取り切る練習をしてきて、その成果を出すことができた」(アリスター・クッツェーヘッドコーチ)というように、神戸製鋼としては当然ながら大型FWがセットプレーやモールなどで優位に立って主導権を握りたいところ。
FWが前に出られれば、SHアンドリュー・エリス、CTBクレイグ・ウィングといったBKのキープレーヤーが生きてくるのも当然だろう。
ちなみに、昨季のセカンドステージの対戦では29—27という激戦の末にパナソニックが神戸製鋼を破っている。
勝敗によって入替戦での対戦相手が変わる
コカ・コーラ−NTTドコモ、NEC−リコー
もう一方のLIXIL CUP 2016セミファイナル、東芝−ヤマハ発動機戦も共にセットプレーに自信を持つチーム同士の対戦。モール、ブレイクダウンなどFWを中心としたコンタクトエリアでどちらが優位に立てるかが、勝負を分けることになるのも間違いないだろう。
「ヤマハの強みであるセットプレーとディフェンスで相手の強みを消す」(ヤマハ発動機・清宮克幸監督)
「東芝の強みであるセットプレーとディフェンスでプレッシャーをかける」(東芝SO森田佳寿主将)
共に、LIXIL CUP 2016でのポイントをそう語るように、似たチームカラーを持つ同士の対戦となるだけに、ラグビーの醍醐味である激しい肉弾戦が80分間に渡って繰り広げられることになりそうだ。
こちらの昨季の対戦はファーストステージ、セカンドステージともにヤマハ発動機が接戦を制している(19—14、29—28)。
尚、LIXIL CUP 2016セミファイナルの前には、5〜8位決定トーナメントの2試合、キヤノン−近鉄(11:40 東京・秩父宮)、トヨタ自動車ヴェルブリッツ−NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(12:00 大阪・花園)がそれぞれ行われる予定となっている。
一方、9〜16位決定トーナメント福岡、三重の2会場で以下の4試合が予定されている。
<福岡・レベルファイブスタジアム>
コカ・コーラレッドスパークス−NTTドコモレッドハリケーンズ(11:40)
サントリーサンゴリアス−Honda HEAT(14:00)
<三重・三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場>
NECグリーンロケッツ−リコーブラックラムズ(12:00)
クボタスピアーズ−豊田自動織機シャトルズ(14:05)
8チームとも1つでも最終順位を上げたいのは当然だろうが、ことに入替戦回りが確定しているコカ・コーラ、NTTドコモ、NEC、リコーの4チームはこの1戦での勝敗によって入替戦での対戦相手が変わってくるため、是が非でも勝利を収めておきたいところだろう。