トップリーグ 2015-2016 weekly preview:来季のTL参戦権を賭けた死闘=入替戦が熊谷と福岡で
text by Kenji Demura
来季のTL参戦権を賭けた死闘が熊谷と福岡で
NTTドコモ対宗像サニックスなど熱い4試合
30日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)および福岡・レベルファイブスタジアムで、来季トップリーグで戦う権利を懸けた入替戦4試合が行われる。
入替戦を戦うのはジャパンラグビー トップリーグ 2015-2016の最終順位13〜16位の4チームと、各地域リーグおよびトップチャレンジ2を勝ち上がってトップチャレンジ1に進んだ4チーム。
以下の組み合わせでの対戦となる。
<埼玉・熊谷>
NECグリーンロケッツ(TL15位)−三菱重工相模原ダイナボアーズ(TC2位)=12:00
リコーブラックラムズ(TL13位)−大阪府警察(TC4位)=14:05
<福岡・レベスタ>
NTTドコモレッドハリケーンズ(TL16位)−宗像サニックスブルース(TC1位)=12:00
コカ・コーラレッドスパークス(TL14位)−九州電力キューデンヴォルテクス(TC3位)=14:20
いずれも負ければ来季トップリーグで戦う権利を失うだけに、重圧を感じながらのガチンコ勝負が繰り広げられることが容易に想像できるが、4試合の中で対戦相手同士の実力が最も拮抗していると考えられるのは、単純に言えばトップリーグ最下位のNTTドコモとトップチャレンジ1位の宗像サニックスということになるだろう。
「アタックの精度が高い。ワイド、ワイドに攻めたり、強いランナーのタテのオプションを混ぜたり、ディフェンスの的が絞りにくい。リザーブ全てがインパクトプレーヤー」というのが、NTTドコモの下沖正博監督の宗像サニックスに対する印象。
トップチャレンジ1の3試合で宗像サニックスが挙げた総得点は166に対して、総失点は32という圧倒ぶり。
周知のとおり、昨シーズンはトップリーグで戦っていたこともあり、選手たちの経験も十分。
「プレシーズンからトップリーグ全てのチームをしっかり分析している」(藤井雄一郎監督)
早くから入替戦での戦いに的を絞ってきた宗像サニックスはどんなアタックを仕掛けてくるのか。
11月29日のリーグ戦第3節で神戸製鋼を25−24で下して以来、1分けを挟んで6連敗というどん底状態で敵地に乗り込むかたちとなるNTTドコモとしては「ディフェンスで差し込まれないこと」(下沖監督)が残留に近づくための方法となりそうだ。
NTTドコモ−宗像サニックス戦の後に予定されている“九州ダービー”コカ・コーラ−九州電力戦も当然熱い試合となりそうだ。
コカ・コーラとしては「トップリーグで15試合戦ってきた優位性を出して」(臼井章広監督)、残留を勝ち取りたいところだろう。
13−14年シーズンまではトップリーグで戦っていた九州電力は日本人選手だけによるトップリーグ返り咲きを狙う。
熊谷では三菱重工相模原と大阪府警が
それぞれNECとリコーにチャンレンジ
埼玉・熊谷の第1試合はトップリーグ15位のNECとトップチャレンジ2位の三菱重工相模原の対戦。
先週末、「順位決定トーナメントに入ってミスで苦しんできたが、開き直って自分たちのプレーをしようと選手がまとまった」(相澤輝雄総監督)ことで、NTTドコモに快勝したNEC。
「味わったことのないプレッシャーをいろんなところで感じることになるだろうが、まずは点を取られないゲームをしていきたい」と。同総監督はNECらしいディフェンスをすることで主導権を握っていくこをポイントにあげる。
熊谷での第2試合は豪州代表SOバーナード・フォーリーがチームにフィットしてきたこともいい影響をもたらして、順位決定トーナメント第2節でNEC、同第3節でコカ・コーラに快勝して13位となったリコーが大阪府警の挑戦を受ける。
「(コカ・コーラ戦では)ディフェンスで受けに回るケースが多かったので、ラインスピードやタックルの精度を修正して臨みたい」(神鳥裕之監督)
「ピンチからチャンンスに変わるときにミスが出たところを修正して、アタックを継続してトライまでもっていきたい」(武者大輔ゲームキャプテン)
攻守に自分たちのラグビーを貫き、シーズンを締めくくりたいのはどのチームも同じだろう。