トップリーグ 2015-2016「見どころ情報」:開幕節特別編2
text by Kenji Demura
金曜夜のパナソニック-サントリーで開幕
ヤマハ発動機は土曜午後にトヨタ自動車戦
本当に待ちに待ったと言っていいだろう。
13日、「ジャパンラグビー トップリーグ 2015-2016」が開幕する。
9月18日から6週間にわたってイングランドで開催されたラグビーワールドカップ(RWC)2015で、その実力のほどを世界に知らしめた日本ラグビー。その最高峰のプレーが1月24日のLIXILL CUP 2016ファイナルまで全国各地で堪能できることになる。
RWC2015が10月31日まで続き、さらに11月7、8日には香港でセブンズのリオデジャネイロ五輪アジア予選大会が開催されたこともあり、11月第2週の開幕となった今季のトップリーグ。
それでも、昨季までの8月開幕時と同じように、フライデーナイトゲームで熱戦の火ぶたが切って落とされる(13日19:00東京・秩父宮ラグビー場)
そのオープニングゲームの対戦カードはパナソニック ワイルドナイツ(昨季1位)対サントリーサンゴリアス(同5位)。
現在2連覇中の現王者と、3シーズン前及び4シーズン前の優勝チームである前王者の対戦という熱すぎるカードでの開幕となる。
「判断の良さを武器として勝利を積み重ねていきたい」(パナソニックHO堀江翔太主将)
「更に進化したアグレッシブ・アタッキング・ラグビーを見せる」(サントリーLO真壁伸弥主将)
当然といえば当然だが、両主将はそれぞのチームが長きにわたって培ってきたスタイルを今季も踏襲していくことを宣言。
ディフェンスのパナソニック、アタックのサントリーと表現されることも多いが、単純に守るだけ、あるいは攻めるだけではもちろんない。
パナソニックの「判断の良さ」には「空いているスペースを攻めるリアクション」(堀江主将)という意味が含まれており、守りから攻めへ瞬時に入れ替わるカウンターアタックに磨きをかけるために絶対必要な要素ということになる。
一方、サントリーのアタッキングラグビーも、セットプレーやブレイクダウンでのボールの再確保を起点としており、試合の中でのボール争奪戦に100%攻撃側として参加することは現実的にはあり得ず、ディフェンス局面での技術的向上が当然キーともなる。
今季は開幕が遅れるにもかかわらず、2月からはスーパーラグビーのシーズンも始まるため、リーグ戦が7節、その後の順位決定トーナメント「LIXIL CUP(リクシルカップ)」が3節という短期決戦となるだけに、開幕戦時点でどちらのスタイルが優位に立つかは、過去のシーズンよりも重要な意味を持ちそうだ。
もちろん、ここ数年トップリーグを盛り上げてきた両チームだけに、両主将をはじめ多くの日本代表を抱えているのも事実。
今季に関しては、4月以降はRWC2015のため日本代表の活動に専念してきたジャパン組からは「チームと合わせるのが大変」(堀江)との本音も聞こえてくるが、いかに短期間で代表選手たちがチームにフィットできるかもキーポイントになりそうだ(トップリーグ所属の日本代表選手の詳細に関してはRWC2015プレーヤーズ in TL<日本代表編>世界を驚かせた28人の桜戦士を直接体験しようを参照)。
通常の開幕戦時よりも気温が低い中でのナイトゲームとなるが、それに合わせて13日の東京・秩父宮ラグビー場では体の中から温まるような激辛グルメ特別メニューフード(激辛カレー、激辛牛スジ煮込みなど)も販売され、同時に生ビール飲み放題デーともなる。
土曜日の東京、愛知、大阪と
日曜の兵庫は地元チームが登場
続く14日は東京、名古屋、大阪の3会場でのダブルヘッダー開催となる。
東京・秩父宮で行われるのはリコーブラックラムズ(昨季9位)対NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(同8位)=11:40、東芝ブレイブルーパス(同3位)対クボタスピアーズ(同13位)=14:00の2試合。
「ブレイクダウンのレベルアップをはかっている」(リコー・神鳥裕之監督)
「フィジカル面の強化に焦点を当てて練習に取り組んできた」(NTTコム・ロブ・ペニーヘッドコーチ)
「規律のあるディフェンスをする」(東芝・冨岡鉄平監督)
「激しい攻撃的ディフェンスで相手の得点を阻止」(クボタ・石倉俊二監督)
いずれも激しさを特徴とするチームが集まった感もあり、まずはコンタクトエリアでどちらが優位に立てるかがポイントになりそうだ。
前日同様、激辛グルメ&生ビール飲み放題デーとなる。
愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で行われるのは、豊田自動織機シャトルズ(昨季15位)対NECグリーンロケッツ(同10位)=11:40、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(同6位)対ヤマハ発動機ジュビロ(同2位)=14:00。
「ディフェンスからチャンスを見出せるスタイル」(豊田自動織機・丹生雅也ヘッドコーチ)
「接点に徹底的にこだわって勝負」(NEC・相澤輝雄総監督)
第1試合はそんな新機軸を打ち出す両チームだが、開幕ダッシュに成功するのはどちらか。
第2試合はヤマハ発動機FB五郎丸歩の一挙手一投足に注目が集まりそうだが、「セットプレーの圧倒的優位性」(菅原大志監督)を目指して強化してきたトヨタ自動車が、昨季スクラムの強さをベースにファイナリストとなったヤマハ発動機相手にどこまで通用するのか。
トップリーグ準優勝の後、日本選手権を制したヤマハ発動機だが、「持っていた力を発揮できなかった」(FL三村勇飛丸主将)との感触もあり、まずはトヨタ自動車とのフィジカルバトルを制して真の力を見せつけたいところだ。
大阪・東大阪市花園ラグビー場ではNTTドコモレッドハリケーンズ(昨季11位)、近鉄ライナーズ(同12位)という地元チームがそれぞれコカ・コーラレッドスパークス(同14位)、Honda HEAT(昇格)を迎える(12:00、14:05)
2011-12シーズン以来のトップリーグでのプレーとなるHondaは「速いテンポでボールを動かすラグビー」(藤本知明ヘッドコーチ)で勝利を目指す。
15日には兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で神戸製鋼コベルコスティーラーズ対キヤノンイーグルスの1試合のみが行われる予定(13:00)。